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食堂を出てからずっとエニスに引っ張られ、各所の部屋に勝手に入ろうとするのを止めては不満げな顔をされて、
挙げ句には疲れたからおんぶしろと言われ
右だ左だ、と指示通りに動いて
しまいには外に行きたいと言い出しやがる
勝手に外に出るなんてと思ったが、兎を戻しに行くのであろうひとらんらん様と会って、それの許しを頂いた
ひとらんらん様の後ろについて外に出れば、途端に降ろせとだだをこね始めるエニス
そしてさっきみてぇに手首を掴まれ引っ張られて、現在は花壇の花を眺めてるエニスの側にいる
兎の小屋はもう少し奥の方にあるらしく、ひとらんらん様はそっちの方に向かわれた
いくつもの花壇やプランター、辺りの低木、その他の地面に生えてる花々の前をエニスは行ったり来たりしながら、楽しそうに眺めている
「みて、アル。パンジーよ」
「おー……」
「こっちはスイセンだわ」
「はあ……」
「これはキンセンカね」
全く分からん
色とか形とかは確かに全部違えけど、名前が分かんなかったらただの綺麗な花だけで俺は完結する
パンジーは見た目が独特だから流石に分かるけど…
「あの低木の花……サザンカかしら」
ツバキじゃねぇのアレ？
赤くて、真ん中に大きく黄色いのがあって、大きい花の低木って他にもあんだな…
他にもノースポールやらオキザリス、ローズマリー……と、エニスは花の名前を呟いている
どれもこれも聞いたことはある花の名前だけど、今世はもちろん、前世の記憶にもその名前と一致する画像が一切引っかからねぇ
花とか、全く興味なかったし
「あれはシンビジウムだわ」
キレイでしょう？
そんなことを問いかけるエニスに、分からない、と伝えればムッとした顔をされる
「キレイだと思わないのかしら？」
「思うが、大して別に」
「まあ」
花が好きとかキレイとか、意外にもそういったところは年相応らしい
俺の知る限りだと、あの屋敷の敷地内に立派な花壇も、植えられている花も無かった気がすんだけど……
「……にしても、よう知ってんな。花の名前とか」
「しょこ……？にあったの。花のずかんを読むのが好きだったのよ」
人差し指で花をつつくエニスの無表情は相変わらずで
子供っぽいのにどこか達観したようなその顔はあまりにも不釣り合いに思える
少しの沈黙の後にいつもの無愛想な顔のまま、エニスは話し始めた
「お父さまが町に行くときに私ね、花がほしいっていつも言うの。」
買ってきてくれることは、なかったけれど
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ねここぶた兼ねっこんこん(プロフ) - うさまるさん» コメントありがとうございます！これからも頑張りますね🥰 (4月26日 18時) (
レス) id: f7a56a3668 (このIDを非表示/違反報告)
うさまる - 面白くて大好きです (4月24日 18時) (レス) @page15 id: 4c17b50875 (このIDを非表示/違反報告)
ねここぶた兼ねっこんこん(プロフ) - その辺の花さん» ありがたいお言葉をいただき感謝感激です😭😭更新は土日がメインになると思いますので、楽しみに待っていただけたら幸いです！貴方様も体調には十分にお気をつけください🥰 (4月17日 11時) (レス) id: f7a56a3668 (このIDを非表示/違反報告)
ねここぶた兼ねっこんこん(プロフ) - MidnigHtさん» 大好きと言って貰えて、とても嬉しいです！更新は最近はかなり遅くなっていますが、気長にお待ちいただけると幸いです🥰これからも頑張ります！ (4月17日 11時) (レス) id: f7a56a3668 (このIDを非表示/違反報告)
その辺の花 - こちらの作品に出会ってから、毎日更新を楽しみにしています！お忙しい中、読者に素敵な作品を届けてくださり本当にありがとうございますm(_ _)m体調やお時間にご無理のないように頑張ってください！陰ながら応援してます💐 (4月16日 22時) (レス) id: 25fc77da9c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ねっこんこん | 作成日時：2024年4月4日 17時
