64:我々だ側視点 ページ14
今宵は新月であった。
外での仕事を終えた彼らと、これから仕事に行く幾人かの時間をすりあわせて生まれた夕食の時間
昨日と同様にショッピはエニスの隣に座っており、詳しくは明記しないが、一歩間違えなくてもギリ犯罪現場のようにも見える行動を彼は取っていた
絡まれている本人は諦めたのか、無視を徹底的に決め込んでいたのはかなり印象的である
オスマンも同じくアルの様子をすぐ隣で見ていた
昨夜の無理矢理に口に含んでいた夕食時に比べれば比較的落ち着いていて、ちゃんと美味しいと感じれているようで
しかし、どこか何かがおかしい
雰囲気か顔つきか、微妙なところではあるが何かが変わっていた
「──ってな感じやなぁ」
談話室にて、月明かりの差し込まない窓をカーテンで塞ぎながらそう言ったのは深緑。
この話をし始める前には、ここにアルとしんぺい神がいて
とてつもなく微妙すぎる表情をしながら歯磨きをされていたアルの事は、一応見ない振りをしておくことにした
二人が立ち去った後に残されたのは、グルッペンとオスマン、エーミールにチーノ、そしてコネシマという、なんとも不思議な人選だ
と、そう思ったのは全員の共通認識なのだろう
元々ただの雑談だったのが二人についての事となり、流れで昼の様子をグルッペンが話して、そのついでにオスマンが食卓での印象を語ったのが先程のこと
「にしても、大泣きですか…」
呟いたのはエーミールで
流石に夜だからなのか、いつものコーヒーではなく紅茶の入ったカップを口につけた
「僅かにでも心の扉を開いてくれた、と解釈すべきでしょうかね」
「そうであることを願いたいものだな。何事も幸先がよい方が良いだろう」
でも、と否定的な入りの言葉を発したのはぐるぐる眼鏡が特徴的な、チーノであった
グルッペンの目の前にある封の開けられたお菓子を断りなしに口に含みながら、その続きを語る
「開いたって、その後に閉じられたら意味ないやん」
「チーノ、もしかしてお前も心無くしたんか?」
「そんな、部長やないからちゃんと心はありますってぇ」
「やかましいわ!!」
ニヤニヤしながらそんなことを言ってのけるチーノに対して、コネシマは大袈裟な身振りでツッコんだ
やいのやいのと言い合い始めた二人をいさめるように、コホンっ、とオスマンがわざとらしく咳払いをして
いつもの笑顔とは別の、あまりにも自然体すぎて逆に不気味な、そんな笑みを浮かべたオスマンは両手を絡めて握り合わせた。
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ねここぶた兼ねっこんこん(プロフ) - うさまるさん» コメントありがとうございます!これからも頑張りますね🥰 (4月26日 18時) (レス) id: f7a56a3668 (このIDを非表示/違反報告)
うさまる - 面白くて大好きです (4月24日 18時) (レス) @page15 id: 4c17b50875 (このIDを非表示/違反報告)
ねここぶた兼ねっこんこん(プロフ) - その辺の花さん» ありがたいお言葉をいただき感謝感激です😭😭更新は土日がメインになると思いますので、楽しみに待っていただけたら幸いです!貴方様も体調には十分にお気をつけください🥰 (4月17日 11時) (レス) id: f7a56a3668 (このIDを非表示/違反報告)
ねここぶた兼ねっこんこん(プロフ) - MidnigHtさん» 大好きと言って貰えて、とても嬉しいです!更新は最近はかなり遅くなっていますが、気長にお待ちいただけると幸いです🥰これからも頑張ります! (4月17日 11時) (レス) id: f7a56a3668 (このIDを非表示/違反報告)
その辺の花 - こちらの作品に出会ってから、毎日更新を楽しみにしています!お忙しい中、読者に素敵な作品を届けてくださり本当にありがとうございますm(_ _)m体調やお時間にご無理のないように頑張ってください!陰ながら応援してます💐 (4月16日 22時) (レス) id: 25fc77da9c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ねっこんこん | 作成日時:2024年4月4日 17時