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「花、好きなの？」
コクリと頷いたエニスに、どれが好きなの？と花壇で咲き誇る花々を示したひとらんらん様
促されるがままに視線を動かしたエニスは、キョロキョロと頭を動かす
考え込むようにした後、１種の花の前までゆったりとした足取りで歩き、それを指差した
白色と、真ん中が黄色の
流石の俺でも知ってる花のマーガレットにしか見えねぇけど、さっきエニスがこの花を見て言っていた名前はそれじゃ無かったはず
適当に聞き流していた所為か覚えては無かった
「ノースポール？かわいいよね」
あぁ、そんな名前だったっけか
ひとらんらん様はポケットから刃が通常よりもかなり短いハサミを取り出し
そしてなんの躊躇いもなしに１輪の花に触れて、その二枚刃で茎を切った
「どうぞ」
そう言って差し出された花を見て、エニスは嬉しそうだった
大事そうに、優しく、両手で持って
さっきの父親のこともあるからだろうか
どことなく自然に口角を上げている、ような気がした。
「外は寒いから、もう屋敷の中に戻るんだよ。そうしたら、トントンに花瓶を貰ってね」
「うん」
素直に頷いた後
エニスはまたしても俺の手首を掴んで、グイグイと引っ張る
別に抵抗する必要なんて無いし、大人しく引かれるがままにエニスの少し後ろをついて歩いた
「ひとらんらん、お花をくれたわ」
「え？あぁ、そうだな」
突拍子も無い話の振り方に思わず驚いた。
子供故なのか、本人が自由気ままなだけなのか
エニスは急に話題を出すことが多々あるような気がする
「だったら、私はつみ取ったってよかったってことでしょう？」
「あー？」
「あなたが私を止めたのは、いみがなかった、ということよ」
何言ってんだこいつは
倫理観をどこに置いて行きやがったんだ
「……俺達が所有者を名乗れるものなんて無ぇよ」
「どういうことよ」
「あの花々も主人の物だ。勝手にして良いわけが無い」
「でも、もうこの花は私のものよ？」
「主人はいつでも与えたものを取り返せる」
わざわざ花一本を奪うとか、そんな意味の無いどうでもいいことは流石にしないと思うが
でも、結局はそういうことだ。
与えられたところで、俺達自身が主人の所有物なんだから
「……そう」
小さく呟いて、エニスは黙った
玄関の両開き扉前まで辿り着くまで無言だったエニスが、ようやく口を開いた時に発したのは俺の名前だった
玄関の扉は大きくて重そうで、俺に開けろとでも言うつもりなんだろうか
と、思ったんだが。
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ねここぶた兼ねっこんこん(プロフ) - うさまるさん» コメントありがとうございます！これからも頑張りますね🥰 (4月26日 18時) (
レス) id: f7a56a3668 (このIDを非表示/違反報告)
うさまる - 面白くて大好きです (4月24日 18時) (レス) @page15 id: 4c17b50875 (このIDを非表示/違反報告)
ねここぶた兼ねっこんこん(プロフ) - その辺の花さん» ありがたいお言葉をいただき感謝感激です😭😭更新は土日がメインになると思いますので、楽しみに待っていただけたら幸いです！貴方様も体調には十分にお気をつけください🥰 (4月17日 11時) (レス) id: f7a56a3668 (このIDを非表示/違反報告)
ねここぶた兼ねっこんこん(プロフ) - MidnigHtさん» 大好きと言って貰えて、とても嬉しいです！更新は最近はかなり遅くなっていますが、気長にお待ちいただけると幸いです🥰これからも頑張ります！ (4月17日 11時) (レス) id: f7a56a3668 (このIDを非表示/違反報告)
その辺の花 - こちらの作品に出会ってから、毎日更新を楽しみにしています！お忙しい中、読者に素敵な作品を届けてくださり本当にありがとうございますm(_ _)m体調やお時間にご無理のないように頑張ってください！陰ながら応援してます💐 (4月16日 22時) (レス) id: 25fc77da9c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ねっこんこん | 作成日時：2024年4月4日 17時
