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「育てるのはむずかしいから、かれてしまったらかわいそうだからって。……いつも言いわけばかりで、お父さまがいらないからってだけのくせに……」
愚痴をこぼすようにいいながら、まるでそれが自然なことで、当然な行動であるかのように、なんの躊躇いも無く、エニスは右手の中指と薬指で１輪の花の茎を挟んで、
花を引き抜こうとしたように見えたから思わずその腕を掴んだ
「………なに？」
こっちを見る目が冷たい
その表情は親子そっくりで、ズキリと背中の傷が痛んだように感じた
でも、この花は主人達のものだから。
勝手な行動なんて許されるはずが無い
鼓動が早くなった心臓を無視して、つっかかりそうになる言葉を、なんとか声に出す
「エニス嬢……、それは主人達のもんだ」
「たった1りんよ？」
「たった１輪でもだ」
わざわざ主人達の怒りに触れそうな行動なんて取りたくもねぇ
冬の花なんだろうけども、それでもこの季節でキレイにこれだけ花が咲いてるってことは、ちゃんと世話をしているんだろうし
それを勝手に摘み取るなんてのは、俺達にしてみれば自ら主人に罰されに行く、なんてのは馬鹿だけがとる行動だ
余計なことをせずに怒られないんだったら、それでいい
理不尽なことに関してはもう諦めた。
けど、自分の行動のせいで罵られたりすんのは非常に愚かで、ただの自業自得だ
「お前はもう、俺らと同じなんだよ。売られて、買われた時点で……俺達は隷属だ。主人に逆らうことも、余計な自分勝手も、許されるわけが無い。」
「…………そう」
かなしいことなのね
まるで他人事みてぇな口ぶりでそんなことを言いながら、エニスは自分の手を花から遠ざけた
「あぁ、悲しいことだよ」
今度は花に触れず、エニスはただ見つめるだけにしたらしい
子供体温の所為か、冬の外のくせに随分と温かいその手で俺の手首を掴みながら、ゆっくりと見て回っている
何が楽しいのか、よく分かんねぇ
思えばこれが今世で初めて見る花々だったな、なんてことに気づいたけど
だからって心が浄化されるような気持ちになるわけでも、特別心が惹かれるような感覚が得られるわけでも無い
本当によく分かんねぇな……花のどこに魅力を感じるんだ？
とかなんとか考えていたら、兎を小屋に戻してきたであろうひとらんらん様が、ジョウロ片手に戻って来たらしく
花に興味津々なのはエニスだけ、と俺達の様子で分かったのか
こちらに近づいて、子供の目線に合わせるようにしゃがみ込んだ。
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ねここぶた兼ねっこんこん(プロフ) - うさまるさん» コメントありがとうございます！これからも頑張りますね🥰 (4月26日 18時) (
レス) id: f7a56a3668 (このIDを非表示/違反報告)
うさまる - 面白くて大好きです (4月24日 18時) (レス) @page15 id: 4c17b50875 (このIDを非表示/違反報告)
ねここぶた兼ねっこんこん(プロフ) - その辺の花さん» ありがたいお言葉をいただき感謝感激です😭😭更新は土日がメインになると思いますので、楽しみに待っていただけたら幸いです！貴方様も体調には十分にお気をつけください🥰 (4月17日 11時) (レス) id: f7a56a3668 (このIDを非表示/違反報告)
ねここぶた兼ねっこんこん(プロフ) - MidnigHtさん» 大好きと言って貰えて、とても嬉しいです！更新は最近はかなり遅くなっていますが、気長にお待ちいただけると幸いです🥰これからも頑張ります！ (4月17日 11時) (レス) id: f7a56a3668 (このIDを非表示/違反報告)
その辺の花 - こちらの作品に出会ってから、毎日更新を楽しみにしています！お忙しい中、読者に素敵な作品を届けてくださり本当にありがとうございますm(_ _)m体調やお時間にご無理のないように頑張ってください！陰ながら応援してます💐 (4月16日 22時) (レス) id: 25fc77da9c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ねっこんこん | 作成日時：2024年4月4日 17時
