51:我々だ側視点 ページ1
トントンとひとらんらんは何か特別な言葉をかけることは無かったが「大丈夫、大丈夫」と、繰り返しながらアルの背中をさすっていた
エニスはグルッペンの持ってきたお菓子によって大分落ちついており、彼の膝の上に座りながら甘いそれらを食べている
それにしても、一体何故こんなにも泣いているのだろうか
三人の大人達が抱く疑問は共通していた
インカムでしんぺい神に今朝の様子について聞いてみたが、比較的落ち着いた様子だったとのことで
エニスに再びアルが泣き始めた前後のことを訊ねてみるも、変だな、と思うところは無かったと言う
何が原因なのか、それが分からなければどのようなことをすればいいのかも不明だ
”精神的な何か”であるということは予想できているのだが…
「おいしくて泣いたのかしら……」
ポツリとエニスが呟く
その言葉で思い起こされるのは昨晩の食卓であった
ひとらんらんが子供のエニスに合わせて甘口にしたカレー
それを目の前にして酷く怯えていたから、恐らく前の主人の所での食事に毒か何かが仕込まれていたりしたことがあったのか……
とにかく、良い思い出が無かったのだろう。
アルの様子の変化にすぐ隣にいたオスマンが気づかないはずが無い。
けれど、彼は様子を見るだけであったし
グルッペン含め、他の皆も何も言わないことが最適解と考えて、あえて触れることはなかった
上の立場が発する言葉は全て、彼らにとって命令と同義であることをよく知っているから
「エニス、君の父親のもとにアルがいたとき。あいつが一体どんなものを食べていたのか、分かるか？」
彼の涙はそれが原因なのかもしれない、と
そう思ってエニスに1つ質問をする
すれば、エニスは眉をひそめて嫌そうな顔をしながら口を開いた
「………虫がいっぱいいるご飯…」
「……何？」
これはエニスが嫌な顔をするのも納得だ。
グルッペンはそんな食事なんて言えないそれを、想像したくも無かった
「お父さま、いつも私に地下までそれを持っていかせたのよ。すごくいやだったわ」
羽音が本当にきらいよ
声色からも、心底から嫌悪していることが伺える。
慰めるようにグルッペンは彼女の頭を撫でて、飴を一粒与えた
「あなた……フューラーもお父さまのように、虫がいっぱいのご飯を作るのがすきなの？」
「いや……作ろうとは一切思わん」
「そうなのね」
「あぁ」
エニスはグルッペンの返答を聞いて、心なしか嬉しそうで
与えられた飴を口に放った
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ねここぶた兼ねっこんこん(プロフ) - うさまるさん» コメントありがとうございます！これからも頑張りますね🥰 (4月26日 18時) (
レス) id: f7a56a3668 (このIDを非表示/違反報告)
うさまる - 面白くて大好きです (4月24日 18時) (レス) @page15 id: 4c17b50875 (このIDを非表示/違反報告)
ねここぶた兼ねっこんこん(プロフ) - その辺の花さん» ありがたいお言葉をいただき感謝感激です😭😭更新は土日がメインになると思いますので、楽しみに待っていただけたら幸いです！貴方様も体調には十分にお気をつけください🥰 (4月17日 11時) (レス) id: f7a56a3668 (このIDを非表示/違反報告)
ねここぶた兼ねっこんこん(プロフ) - MidnigHtさん» 大好きと言って貰えて、とても嬉しいです！更新は最近はかなり遅くなっていますが、気長にお待ちいただけると幸いです🥰これからも頑張ります！ (4月17日 11時) (レス) id: f7a56a3668 (このIDを非表示/違反報告)
その辺の花 - こちらの作品に出会ってから、毎日更新を楽しみにしています！お忙しい中、読者に素敵な作品を届けてくださり本当にありがとうございますm(_ _)m体調やお時間にご無理のないように頑張ってください！陰ながら応援してます💐 (4月16日 22時) (レス) id: 25fc77da9c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ねっこんこん | 作成日時：2024年4月4日 17時
