23日目 合図【gr】 ページ32
コツンコツン。牢の方に近づいてくる足音が，普段より一層響いて聞こえた。
gr「…やあ，A。」
いつもの何ともいえない怪しい笑みを浮かべる其奴。
しかし，もうそれに苛立つこともなくなった。
『…手紙を出したいんだが。』
私は挨拶もなしに，唐突に言った。すると，グルッペンは一瞬目を揺るがすが，すぐにいつもの顔へと戻る。
gr「はは。…何か，作戦でも伝えるのかね？」
一瞬にして冷たくなる瞳。
…此奴は，うちの国が全て私の指示で動いているとでも思っているのだろうか。流石に私の国にも参謀くらいは居る。
『そんなわけ。…私も直に用済みだ。別れの手紙くらい出しておこうと思ってな。世話になったのは事実だし。』
gr「！…それも，そうか。」
グルッペンは意外にもすぐ納得する。一つの国の総統という立場だ。こんな王に仕えた者の最期には甘いのだろう。
すると，グルッペンは便箋とペンを私に渡し，「また来る」と言って去って行った。
『…。』
どうすればバレないように，しかもうちの国の奴等に伝わるように作戦を送れるものか。
うちの国と我々国の公用語は同じ。だから，言語を変えると怪しまれるだろう。何より，送れたとしても伝わるか怪しい。
縦読み…はベタすぎるしな。それに，これも気づかれなければ終わりだ。
あ，うちの国の暗号とかなら…？これなら目立たないように書けばバレないかもしれない。それに，これなら幹部以上の役職のものなら全員分かるはずだ。
…書き終えた。割と自然な感じではないだろうか。
そのとき。牢の目の前に威圧感がすごいあの男が再び現れた。
gr「…終わったか？」
此処に来てからはよく聞いた声で，そう尋ねられた。
それにしても，何ともタイミングの良い。
『ああ。見るか？』
gr「！…見て，いいのか？」
グルッペンは酷く驚く。いつものカッコつけたような顔は崩れ，私は笑いを堪えるのに必死だった。
『どうせ後でチェックするんだ。なら，今のうちに見といたほうがお前等も楽だろ？』
gr「…お前，変わったな。」
私は便箋をグルッペンに渡す。グルッペンは目を凝らして見ていたが，問題ないと分かったのかすぐにそれを封筒の中へ入れた。
gr「…これは責任を持って今日中に届くように調整しておく。」
『それは助かる。』
グルッペンは小走りで去っていった。
…よし。あとは，あの暗号が伝わってくれさえすれば―。
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とれにあ(プロフ) - 匿名ｯさん» 待たせてしまって申し訳ないです。今絶賛制作中なので気長に待ってくださいませ🙇♀ (4月22日 18時) (
レス) id: 0de92a5b6d (このIDを非表示/違反報告)
匿名ｯ - あ〜続きがすんごい気になってテカりそう.....(???)無理しないように更新頑張ってくださいませ!! (4月21日 20時) (レス) @page29 id: ed47510f53 (このIDを非表示/違反報告)
とれにあ(プロフ) - どっかのだれかさん» そんなこと言ってくださるなんて…嬉しすぎます！更新頑張ります💪 (3月31日 10時) (レス) id: 0de92a5b6d (このIDを非表示/違反報告)
どっかのだれか - 神作品みっけ…✨拷問してるときの表現がとてもわかりやすくて想像しやすいからめちゃ面白いです！無理なさらず自分のペースでいいので更新まってまふ…( ˊ̱˂˃ˋ̱ ) (3月30日 21時) (レス) @page25 id: 3f3fe52288 (このIDを非表示/違反報告)
とれにあ(プロフ) - 燈矢さん» grさん可愛いですよね！ありがとうございます✨ (3月7日 17時) (レス) id: 0de92a5b6d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：とれにあ | 作成日時：2024年2月2日 19時
