14日目 甘み【os】 ページ18
本格的なヤバさに陥っている14日目。
鬱の治療なんてほぼ無意味なほどに体が傷で溢れている。頭も，あまり回らなくなってきた。
???「ここめぅか。」
独特な語尾。それが聞こえ，私は牢の外に顔を向ける。
そこに居たのは，トルコ帽子が特徴的な一人の男だった。
os「うわ，痛そ。…俺はオスマン。ここの幹部めぅ。」
そうして名乗ってくるオスマン。しかし，それ以前に気になることがある。この男が運んできたのは―。
『…マカロン。』
os「お，大正解。…好き？マカロン。」
大好物だ。久々に見た甘味に思わず涎が垂れる。
しかも，此処の国は食事を中々渡してくれない。お陰で今も信じられないほどに空腹だ。
os「情報吐いたらあげようと思ったんやけど…流石に可哀想やしな。今日だけ特別にあげるわ。」
『…ほん，と…？』
オスマンが優しく頷く。…怪しい。何か罠でも―。
os「…食べへんの？」
『…毒，はいってんだろ。』
毒による拷問は比較的少ないが，この業界だと珍しくない。
os「失礼な…入れてるわけないめぅ！」
本当…なのか。
此奴の言っていることからは嘘も何も感じられない。
私は恐る恐る，マカロンに手を伸ばす。
…美味しそう。珍しい色のマカロンだ。何味なのだろう。見た目の幾つかの情報が頭の中で広がる。そして，私はマカロンを口に入れる。
『…美味しい。』
os「やろ？」
あまり食べたことのない味。しかし，美味しいことに変わりはない。…もう一個食べたい。私はオスマンをじっと見つめる。
os「…幾らでも食べ。」
『！』
その言葉を聞き，私は次々とマカロンを口に入れていく。
本当ならゆっくり食べたほうがいい。そんなこと分かってる。しかし，今の私に我慢などできるはずもなかった。
『…？』
マカロンを食べ終えた頃。体の異変に気がつく。
os「…そろそろ，効きはじめた頃やな。」
…ハメられた，のか。しかし，毒のような苦しさはない。
『…何，入れたんだ。』
os「すぐ分かるめぅよ。」
オスマンはそう話しながら，私に手枷をつける。抵抗しようとするが，体が思うように動かない。
os「…また会おうめぅ。」
オスマンがそうとだけ言い，牢の外へ出ていった。
…体が奥底から熱い。頭が回らない。感じたことのない感覚が限りなく気持ち悪いが，何処か心地良い。
あー，ここまで耐えてきたのに，なんでこんなとこでしくじるかねぇ…。
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とれにあ(プロフ) - 匿名ｯさん» 待たせてしまって申し訳ないです。今絶賛制作中なので気長に待ってくださいませ🙇♀ (4月22日 18時) (
レス) id: 0de92a5b6d (このIDを非表示/違反報告)
匿名ｯ - あ〜続きがすんごい気になってテカりそう.....(???)無理しないように更新頑張ってくださいませ!! (4月21日 20時) (レス) @page29 id: ed47510f53 (このIDを非表示/違反報告)
とれにあ(プロフ) - どっかのだれかさん» そんなこと言ってくださるなんて…嬉しすぎます！更新頑張ります💪 (3月31日 10時) (レス) id: 0de92a5b6d (このIDを非表示/違反報告)
どっかのだれか - 神作品みっけ…✨拷問してるときの表現がとてもわかりやすくて想像しやすいからめちゃ面白いです！無理なさらず自分のペースでいいので更新まってまふ…( ˊ̱˂˃ˋ̱ ) (3月30日 21時) (レス) @page25 id: 3f3fe52288 (このIDを非表示/違反報告)
とれにあ(プロフ) - 燈矢さん» grさん可愛いですよね！ありがとうございます✨ (3月7日 17時) (レス) id: 0de92a5b6d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：とれにあ | 作成日時：2024年2月2日 19時
