【d!】心まで、透明化してよ (ページ42)

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42話《回想》ページ42

半年前

その日、Aはゾムと一緒に
任務だった。しかし、不運が重なって
Aは、原則二人というルールを
破っていかなければならなくなった

それが、きっかけだった

─
ゾムの部屋

zm「…俺が、元気になってからはあかんの、？」
「…ダメみたいです。情報がどうしても必要なので」

珍しく季節病にかかったゾム"さん"
林檎の頬を膨らませて、私の手を握り続ける
何を言っても泣きそうな顔はかわらない

zm「…帰るまえに、治しとくから…」
「そうしてくださいね」

「それじゃ、いってきます」
zm「…A、好きやで」
「…早く治してくださいね」
zm「…ぅん」

─
玄関

tn「ほんま、すまん。他のやつも流行病や、任務が重なっとって…流石にグルさんを連れてく訳にはあかんし、その「大丈夫ですよ」

この時期は仕方ないのだ。人の入れ替わりが
激しい時期は必ず多忙期になる。任務が
増えるのも、人の流れのせいで病になるのも
仕方ない

彼にも同じ説明をして、踵を2回鳴らす

今回の任務くらいなら、大丈夫だから

tn「…気をつけて、な」
tn「…」

「いってきます」

tn「行ってらっしゃい」
tn「…」

Aの笑顔をみたのはそれが最後だった

──
施設内

「…ごほｯ…ごほｯ…」

？「今電話で催促させました！」
？「時期に金を持ってくるかと思います」

「…」

私が来ることは秘密裏だったのに
まるで待ち構えていたような態度だった
《スパイがいたのかもしれないな》

ゾムじゃないのに100人に勝てる訳がない

片目が見えない。感覚神経も機能停止
もうすぐ私は死ぬのだろう。

ま、彼らも軍人だ。好きな女だろうが
この状況なら捨てるはず。守るべきなのは
国だしね

寂しいし、つらいけど仕方ない

その時に自分の死を完全に受け入れた。
呼吸が止まっても、敵に乱暴を受けても
何も感じないほどに。

私が、深い眠りに落ちて何時間がたった頃
突然の銃声音に叩き起された。起き上がれば
敵兵たちが次々とどこかに向かっている

人質の私に気づかないほど、何か、が
おきたのか

…まさか本気で来たわけじゃないよな

ゾムは風邪だし、他の人も任務があった

まさか、総統閣下が来るとも思えない

内部の氾濫…

と信じていたのに、彼らを見た瞬間
心臓が酷く傷んだ

私と同じくらいの傷で、怪我で、負傷で

"グルッペンさん"達が来たのだから

「は、？」