【d!】心まで、透明化してよ (ページ5)

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5話ページ5

医務室

「…しんぺい神、様」
sn「…なに。おまえには治療しないって言ったやろ」
「…ティッシュを《購入》しに来ました」
「代金です」

sn「…」

無能はティッシュに対し札を
テーブルに差し出した。指先で
ティッシュを1箱渡せば

逃げるように消えていった
何故そんな怪我をしたのかも言わずに

ni「…追いかけなくていいん」
sn「なんで？無能の治療とか無理」

ni「…そ」

無能に対する行為は、日に日に増している
今度俺が帰ってきた時にあいつは
生き残ってるのだろうか

ni「…」

《あんなこと》があったから
何も言えへんが、

Aは《あんなこと》を
悪意を持ってするか…？

…

調べよ

───
訓練所

「今日は、コネシマ様の兵士と対合があるので
精々彼らに泥を塗らない程度には全力を出してください」
「以上。怪我に気をつけて」

？「…」
？「A…様。貴方様の怪我は」

「訓練に関係ないことを口出さない。以上」

？「…」

俺らのA様は、毎日怪我をしている
よく幹部の人から罵声を浴びせられ、
彼らから《躾》を受ける姿もみてきた

…

でもA様は、何も言わない
俺らを遠ざけようとする

なんで、なのだろうか

？「あの人こそ怪我に気をつけて、だろ」
？「ほんとだよ…毎日やつれてる」

？「…」

Aさんは、俺らの心配に
気づいていないのだろうか

───
トントンの部屋

tn「…おまえ、仕事せんならでていけよ」
「…」

tn「今月も《お前だけ書類量が少ないんやけど》」
tn「他の奴らは頑張ってんのに、何してんの」

tn「無能には興味無いねん。さっさと荷物まとめて
でていけ」

「…そうですね、…検討しておきます」
「…失礼します」

tn「…」

無能が作った書類は圧倒的に少ない
《名前の記名がほとんどない》
ほんまにいらないんちゃうか？

前はちゃんとしてたのに、
何がああなったんやろ

ま、どうでもええけど

tn「…」

昔の、あいつに戻ってくれたな

tn「ｯ何思ってんねん、仕事や仕事」
tn「無能のことなんて考えるだけあほや」

───
階段

「わｯ…！」

ちる「大丈夫ーー？痛いねぇ！でもー、私のことを突き落とそうとしたから仕方ないよねー？」

「…」

油断していたおかけで、
1番の上から踊り場まで転げ落ちた
鳴り止まない頭痛と嘲笑

…

無能、だもんて