【d!】心まで、透明化してよ (ページ40)

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40話・os ページ40

数日後

Aの部屋

「…できた」

仕事に復帰して数日がたった
最初の頃は、喧嘩ばかりしていた車椅子とも
何とかそれらしい関係を続けられている

テーブルの高さが合わないので
床に台座をおいて地面を底上げ

二三回落ちたけど、傷は開いてないから
よしとしよう。うん

タイヤを回して、トントン様のところに向かう
ここ数日腕を酷使していたツケが回ってきたのか
筋肉痛だ

はやく治さないとな

「いｯ」
「…はやく、車椅子なおそ」

今日で壁に頭をぶつけるのは、3回目だ。

───
廊下

「よいしょ、…」

gr「大変だな」
「…こんにちは、総統閣下」

彼は、私の背後に経って車椅子は
どうだ？体調はいいのか？など
記者会見並の質問

適当に受け流して、仕事があるから
そろそろ行かなくては、と切ろうとすれば

gr「俺が連れていくぞ」
「…結構です。ひとりで行けます」
「無能の世話など、総統閣下の手を煩わせてしまいますよ」

gr「俺がしたいんじゃ。トントンのとこだな」

「…」

タイヤが私の手を使わずにあるきだした。
久しぶりに視界が上に上がる

…彼、そんなに顔、クマあったっけ

gr「…どうした？」
「…無能の世話より、自分のクマをどうにかしたら？」
gr「はは…」
gr「クマをどうにかするために、今こうしてるんだ」

「…意味がわかりません」

gr「…お前も、大概嘘つきだな」
「ん、っ」

頭に膨らんだ手袋がおりた。ゆさゆさと
髪を撫でまわすそれは懐かしくて

いやだ

gr「…」

───
トントンの部屋

tn「…俺が、部屋まで持ってくんやけど」
「結構です…総統閣下は気まぐれでしただけでしょうし」

tn「…」

Aをグルさんが運んできた
そのまま壁にぶつかりかけるもんやから
危なかっしい

Aも慣れてへんなら、俺が
もっていくしそもそもなぜまだ完治してないのに
仕事をしているのも謎やし…

tn「…はい、これ」
「ありがとうございます」

tn「飯は食ったんか」
「…あぁ、はい。」
tn「…」

食ってないんか、そういや今日
ひとらんはちるにどこかに連れていかれてたな

食堂を提案してみたが

「結構です。」
tn「…そう。なら、部屋まで送ってくわ」

「大丈夫で？「俺が送っていくから大丈夫めぅよ」

tn「…」

「…」

「…オスマン、様。」

os「なら行こかー、またねトントン」

tn「…」

久しぶりに見たな、オスマン