【d!】心まで、透明化してよ (ページ23)

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23話・ht ページ23

数日後

廊下

kn「消えろ」
sha「ほんそれ」

sha「無能は邪魔やねん」

「…」

zm「…」

Aは、他の奴らにまだ
傷つけられている。声をかけようと
思ったが

kn『あ？無能を庇うなら、お前も無能やろ』
sha『ゾムも邪魔や。消えろ』

zm「ｯ…」

嫌われるのが、怖くて言えへんかった
ただあいつらが消えるのを待つだけ

数分たって血だらけのAを残し
2人は去っていった。

監視カメラの存在を気にしながら
Aに声をかける。

のに、あいつは無能の態度をした

zm「ち、ちりょぅ…せんでええんか？」
「…結構です。無能なんて触れたくないでしょ？」

zm「ｯちゃう、」
「…ゾム様も、立場を考えた方がいいですよ」

Aが耳元まで近づいた

「貴方まで、無能になんてなりたくないでしょ？」

zm「ｯ…」

Aはどこかに帰ってしまった。
…

強くなったのに、目的を忘れた
拳。どこにやればいいかわからんくなった

───
食堂

「…」

ご飯がついに出されなくなった。
出されても毒薬だから、いみないか

ちる「あー、ついに出されなくなったね！可愛そ！」
ちる「でも、好き嫌い激しいから仕方ないよね！」
ちる「そう思いますよね！ゾム先輩！」

zm「…あ、うん。…せやな」

「…」

ht「お前の飯は、これな」

「へ、」

…

おにぎりだ。なぜ、

口パクが届いたのか知らないが
ひとらん様は続けて私に
「好き嫌いが多いからこれで我慢しろ」
と説明してくれた。好き嫌いじゃないけど

…

「…ありがとうございます」
ht「…礼なんかすんなよ。無能」

「ｯ…」

無毒の朝ごはんに体が、喜んでいる
思わず涙してしまいそうになった
ダメだ、無能は泣かないよ

ht「…」

gr「…」

tn「…｣

───

廊下

「…」

久しぶりに苦しくない廊下
朝ごはんが無毒なだけでこんなに
美味しいんだ

ちる「…A。ちょっときてよ」

「…何故？」

ちる「お話あるんだよねーーー」
ちる「ほらはやく」
「いっ」

むりやり、どこかに連れていかれる
人生とんとん説、と聞いたことがあるけど

いい事の先には必ず悪いことがあるものだな